神谷道場
□幸力(こうりょく)
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さわるとこわしてしまいそうで、
キミにさわるときはとてもしんちょうに、
しんちょうに…。
ちからをいれすぎず、いれなさすぎず、
優しく、やさしく、やんわりと…。
話しかける前は特に気をつけているのに、話していると楽しすぎて“やさしく”を忘れてしまって
つい、キミを怒らせてしまう。
大切なキミを壊さないように、自分が壊れないように、大切に“やさしく”…。
ゆっくりと触れたキミの手は冷たかったけど、俺の心は温かだった。
頬を桜色にして俺を見て微笑んでくれる。
それがこの上ないほど幸せな時だった。
ずっとこのままがいいと望んだ俺はキミにあの時の答えを伝えた。
一瞬目を見開いて 私でいいのか と俺の目を見て聞き返すキミが、愛おしかった。
二度目でも、どこか気恥ずかしかった。
二度目だから、今度こそ必ず守りきると決めた。
必ず。
自分か持っている幸せすべてをキミに…。
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