捧げモノ
□幸外(こうがい)
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頭と頬はまだ熱を持っているのに身体はとても寒い。
そして胃が引っ張られるようなかんじ。
「…おなか…すいたな…」
言葉と一緒に零れたため息がもっと私の心を沈めた。ため息をするたび幸せが逃げるのはどうも本当のようだ。
いつもそうなんだ。
一緒に話してるのは最初だけで、
私が一人で苛々して、
怒って
剣心にぶつける。
後悔して
反省して
また、後悔してる。
コレばっかり繰り返して
それでまた、後悔する。
川原を歩いていると屋台の蕎麦屋さんがあった。
ワイワイと小さな子達のにぎやかな声が聞こえる。
でももう、日が沈み始めた時間。
さすがにほうっておくわけにもいかずに声をかけた
「ほら!もう帰らなきゃ駄目でしょ!!」
私の言葉に子供達は素直に“はーーい!!”と返事をして、食べかけの蕎麦を一気に掻き込んだ。
“バイバイ薫さん”と笑顔で手を振る姿を見ていると自然と顔がほころんだ。
「薫殿も。帰るでござるよ」
驚いて振り返ると笑顔の剣心がいで、やっぱり剣心が先に折れて迎えに来てくれて、それでまた後悔して、なのに少し嬉しくて。
「…。」
それでも私は意地を張って、それでまた反省する。
「やれやれ」
ため息混じりの剣心はそっと私の手を取った。
「ぇ…」
耳がちょっと熱くなって息も少し苦しくなった。
「帰るでござるよ。」
「弥彦が腹を空かしてまってる。」
「…うん」
大きなゴツゴツした手
所々にある剣胼胝。
皸もある。
大きくてやさしくて皆を守ってくれる温かい手。
::あとがき::
キリリク、ありがとうございました
そして、遅くなって申し訳ありません
ひろこ様、こんな感じでよろしかったでしょうか?
気に入らない場合は書き直しますので、なんなりとお申し付けくださいね
この小説をひろこ様に捧げます
※なので、その他の方のお持ち帰りは禁止とさせていただきます。
ダメ、ゼッタイ!!
H24.03.18:造華:深寒