短編

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高校生になった。
引っ越してきたから前の仲が良かった友達は居なくなってしまった。

だけど俺は友達を作るのが早い方だったから今度もすぐ、クラスの人達と友達になれた。




入学式の日、クラス発表があり自分のクラスへ行った。
どんな奴が居るんだろう?
そう思いながらクラスの扉を開けた。

一番最初に目に入ったのは緑色の髪に3本のピアス。
そう、ロロノア・ゾロだ。

一目惚れ。そんな言い方は男に対しておかしいけれど、
俺の心情はまさにそうだった。


授業中でも、友達と話している最中でも、ゾロの事が頭に焼きついて離れなかった。
だから俺は屋上に行くゾロの後を追った。

ゾロと話してみた。それだけで俺は嬉しかった。
つい、友達になろう!だなんて言ってしまった事は後悔していない。
でもゾロにとって俺は迷惑らしい。
少し傷ついた。心が痛い。

迷惑と言われた日からゾロに近づいていない。
ゾロは一人で寂しくないのか?
俺はゾロと話せないと寂しい。



ゾロと会ってから4日が過ぎた。
相変わらずゾロは一人だった。


今日は5日目。
今度こそ話しかけよう。
そう思ったが、ゾロが言った「迷惑」という言葉が頭の中で連呼されて、
ついに日が暮れる放課後になってしまった。
もう下校の時間だ。

俺は学校の校門を出て一人で歩いた。
やっぱり一人は寂しい。
中学時代が懐かしい。俺が歩いている横にはいつも友達が居た。
だから一人で帰る事はあまりなかった。

ゾロは今一人で帰っているのかな。
俺、ゾロと一緒に帰りたい。ゾロが隣に居て欲しい。

そんな事を考えていたら、後ろからポンと肩を叩かれた。

振り向くと其処には、いかにもガラが悪そうな不良が3人ほど居た。
俺は別に絡まれるような事してないんだけどなあ…
すると不良の一人が言った。


「ああ、こいつッスよ先輩。ロロノアと絡んでたっていう」

「よぉ、悪ぃなあ新入生。お前ロロノア・ゾロのダチかなんかか?」


なんだよこいつらは、それと何処からそんな情報を…
嫌な予感がした。


「…だったらなんだよ」

「おいおい、口のきき方に気をつけろよぉ…」


俺はなんとなく答えをあやふやにしてしまった。
ゾロと友達じゃない…って言いたくなかったんだと思う。


「じゃあお前を囮にしたらゾロは俺達の所に現れるってわけだ」


「は?」


一瞬意味が解らなかった。
その瞬間後ろから手首をつかまれた。
後ろにも不良が二,三人居る事に俺は気付いていなかったんだ。
そうしたら、手で口もふさがれた。
いったい何をしようってんだ!!!
俺は体を捩って逃れようとしたが、前から襲ってくるバットに気付かなかった。


ゴンッと鈍い音がした。

意識を手放す寸前に気付いた。
…こいつら、まさか。

俺は瞼を閉じた。
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