小説

□カオスへの扉
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「先日もまた不良グループの乱闘があり、この乱闘に能力者が参加していたことによって、被害は大きく、周りにいた一般人の多くが軽傷を負い……によって能力者と一般人との共学化に国はこのように制度を…」

ーピッ

朝からチュンチュンと泣く小鳥たちの声とほかほかと湯気をたてる緑茶の香りを嗅ぐと、すっかりのほほんとして、あぁ、日本人で良かったって思うわけですよ。こんな朝からテレビの暗いニュースだなんて回して、のんびりと別の明るい番組を見たいのだが、テレビの電源を切ったのはそろそろ家を出ないと入学式に間に合わないからだ。

「だったら早く行きなさいよ」

「うわっ!!?」

天然茶髪の髪を盛大に揺らして勢いよく椅子から飛び立つ少年は、いつの間にか目の前に座っていた女性を吃驚して見た。
一方、女性の方は少年の驚きっぷりに若干呆れたように見やり、テーブルに頬杖をつく。

「何?さっきから座っていたのに気付かなかったの?」

少年はというと、ブンブン首を振ってから、

「そうじゃなくて!!いつも言ってるじゃないですか姉さん!人の心勝手に読まないでって!!!」

「あらあら。別にいいじゃない。家族なんだし。」

焦ったように言う少年とは対照的に、何をそんなに怒るの?とでも言いたそうだ。
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