主・一般
□求めるよりも ★
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｢れん……じっ、恋次っ！｣
｢ハァッ、ッ…何スか？｣
｢少し…っ離れろ、苦しい……！｣
これ以上入らぬほど奥まで私の中に挿入し、潰れそうなほどの力で抱き締めてくるその男に向かって、私は息も絶え絶えに声を絞り出す。
密着し過ぎた身体から、私のそれより遥かに高い体温と、飛び出しそうな心音が伝わってきた。
｢……あ……っ｣
しかし、私の言葉に応じる様子はなく、恋次は更に私の身体を抱き込むと、首筋に舌を這わせてくる。
散々貪られ、悦楽に冒された身体に、それは大きな刺激となる。
｢……っ、は……｣
｢無理っスよ……もっと、もっとアンタと繋がりてえ｣
熱い息と共に、耳に吹き込まれる言葉には、余裕がまるでない。
首筋から鎖骨へと滑っていく舌の動きと感触が、新たな快感へと繋がり、私を更に追い詰めていく。
また、立ち上がり硬度を増した私自身も、抱き合った恋次の腹に擦られ蜜を溢れさせていた。
｢……やめ……｣
このままでは理性が飛ぶ――どうしようもなく危機感を持った私は、性感に煙る意識を必死でかき集めると、恋次の身体を退けるべく霊圧を上げようとした。
しかし。
霊圧を上げたその時、恋次が僅かに身体を離し、顔を上げた。
私はそれを見て――そのあまりにも切羽詰まった表情に、息を呑んだ。
｢お願いします……今晩は、今晩だけは、逃げないでください｣
激しく呼吸を乱しながら私を真っ直ぐに見下ろし、今にも泣き出しそうな顔でそう懇願する。
その弱々しさは、平時の明るさや荒々しさとはかけ離れたもの。そして、他の者たちの前では殆ど見せることのない表情だった。
｢…恋次｣
その表情の理由に思い当たった時――私は、無意識に霊圧を下げ、恋次の肩に置いた両手に僅かに力を込めていた。
その瞬間、また激しすぎる行為が再開される。
｢はあ……っあ！｣
再び私の中で動き始めたそれに、弱く敏感な箇所を強く擦り上げられ、身体が跳ねた。
｢はっ……はっ、ああっ！｣
全身を灼かれるような熱さと、五感全てが支配されそうなほどの快感に、上がる嬌声と髪を振り乱す動きを止められない。
｢隊長っ…朽木、隊長……!!｣
熱に浮かされたように私を呼ぶ恋次が、乱暴な動きで私の頭を引き寄せ、噛みつくように口付けてきた。
｢ふ…っんぅ！んっ｣
舌を絡め、口内を舐めあげられ、奥の奥まで蹂躙され犯される。
全てを喰らい尽くされるようなその感覚に抵抗できず、むしろ甘く酔いしれてしまっている私はおかしいのだろうか……
口付けの間も繋がった部分の律動は止まず、唇が離れるころには、貫かれる下肢も２人の間で擦られる自身も既に限界だった。
｢れ、れん…じ……っもう…っ｣
私が夢中でしがみつくと、恋次はその倍はあろうかという力で抱き返してきた。
｢いいっスよ、イッて……俺も、もう限界……っ｣
震える声でそう囁くと同時に、私の最奥を一際強く突き上げた。
｢あっ…ああ――っ！｣
脳内で何かが白く弾ける感覚と共に、私は達した。
｢く……っ｣
直後、私の中に熱いものが注ぎ込まれるのを感じる。
達すると同時に、恋次はくずおれるようにして、私の上に倒れ込んできた。
しばらくは互いに激しく呼吸を乱したまま、一言も発することが出来なかった。