小説

□チルドレン・キラーズ
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時計を見ると、夕方の6時を回った所だった。
昼過ぎに目覚めてから、ずっと飲んでいた。そう酒に強いほうでもないのに、飲まずにはいられなかった。
散乱する空の瓶を見ていると、本当に自分が自堕落なクズに思えてきて気分が淀む。

と、外でバイクのエンジン音が聞こえた。やかましいその音は、俺のアパートの前で止まった。
アイツだ。

「ギアッチョー。いるんだろ?」

メローネだ。連絡もなしに、突然俺の家に訪れるのは、こいつしかいない。

「開いてる。入ってこいよ」

気だるく、玄関に向けて返事をしてやると、奴は遠慮もなしに、ずかずかと入ってきた。
「あー、結構飲んじゃってるね。これ、ホルマジオに貰ったウイスキーじゃん。高いんだぜー、コレ」
「うるせぇ、な…」
「なあ、ギアッチョ」
奴は壁にもたれている俺の前にしゃがんで、顔を見つめてきた。
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