小説2

□夜遊びの代償
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「…遅い」
自宅のリビングで、メローネは時計に目をやる。日付が変わる頃だった。
ギアッチョ。彼は今日、イルーゾォ、ペッシと飲みに行った。それは構わない…が、それにしても最近彼は帰ってくるのが遅い。メローネが気にくわないのは、今日ギアッチョ達が行った店は、チャラチャラした女どもがよく逆ナンして遊んでいる店だという事。
もちろんメローネはギアッチョを信じているから、馬鹿みたいな女が彼に声をかけようと心配はしない…が、さすがに彼氏としては気分が悪い。


「ただいまー」
彼が帰宅したのは深夜1時を過ぎた頃だった。
「おかえり、ギアッチョ」
「おう、あー腹へった」
あまり食べてこなかったのか、帰ってくるなり冷蔵庫をバタンと開ける。
「何もねぇのか。なぁメローネ、何か作ってくれよ」
「…ギアッチョ。お前なぁ。何か言う事ないのか?」
「あ?」
まるで主人のごとく振る舞うギアッチョにカチンときたメローネに、ギアッチョは臆する事もなく、上着を脱ぎ捨てると、かまわず部屋着に着替えながら適当に答える。
「なんだよ?何怒ってんだ?」
「何時だと思ってる?お前一昨日も朝まで飲んできただろう。もう少し…」
「別に…わりぃ事してるわけじゃないし問題ねえだろが」
「それはそうだが、お前」
「何怒ってんだよ…年頃の娘心配してる親父か?」
不貞腐れたその態度。
いつもギアッチョには甘いメローネだったが、いい加減今回は我慢できなかった。
「ギアッチョ。お仕置きだよ」


「あぁ!?何言ってんだよ、離せ…」
腕を掴まれたギアッチョは、必死に抵抗した。彼の脳裏によぎったのは、以前メローネにされた『お仕置き』の苦い思い出。縛られた事もあるし、卑猥な玩具を突っ込まれた事もあるのだ。
「変態野郎がっ!」
腕を振りほどこうにも、メローネは細く見えて意外に力が強い。ズルズルと部屋の真ん中まで引きずられてしまった。
ここでギアッチョは、ふと疑問を抱いた。てっきりいやらしい事をされるのかと思っていたが、ベッドからは遠ざかっていく。
「よいしょ、と」
「うわっ!?」
椅子に腰かけたメローネの膝の上に、腹這いにされてしまう。起き上がろうとしたが、ぐい、と腰を抱えられた。
「何しやがんだっ!」
「だからお仕置きだって言っただろ?ギアッチョ」
「お仕置きって、お前…っ!んっ!」
パァン、と音が響く。尻をひっぱたかれたのだ。
「い、いてぇな!つっ!やめ、やめろっ!」
無視して、スウェットのズボンの上からパンパンと叩き続けるメローネ。
まさか、こんな子供みたいな『お仕置き』をされるなんて。状況を飲み込めたギアッチョの頬は、羞恥で真っ赤に染まった。
「何しやがんだっ、変態…!」
「ん」
変態、との言葉にメローネは一瞬顔をしかめる。そして、謝るどころか暴言を吐いた彼のズボンに手をかけ、下着ごと引きずりおろした。
「うわ…」
尻を丸出しにされ、ギアッチョはより一層恥ずかしさに襲われる。彼のくりんとした白い尻は、先程からの平手打ちのせいで、ほんのり赤く染まっていた。
「少し赤くなってるね。でも、まだまだだな」
可愛い尻を撫でながら、独り言のようにメローネは呟く。
ギアッチョはさすがに少し怖くなってきたのか、もう暴れる事もなく、黙って床をじっと見つめていた。
どうか酷くされませんように、と願うギアッチョだったが、そうはいかなかった。
「今日は許さないからな、ギアッチョ。しっかり反省しなよ」
ピシャン!と音をたてて、剥き出しの尻をぶたれる。ズボンの上からぶたれるよりも遥かに強い痛みにギアッチョは声をあげそうになるのを耐えた。
「んっ、うう」
「夜遊びばっかりして。躾けなおしてやるよ。ふふ、俺はね、子供の躾は上手いからね」
ベイビィフェイスみたいなガキと一緒にするな!そう言い返したいギアッチョだったが、これ以上怒らせてはまずいと必死で痛みに耐えていた。
静まり返った部屋の中、ピシャピシャと尻を叩く音だけが響く。耐え難い羞恥…。加減しているとはいえ、何度も何度も同じ所をぶたれ、ヒリヒリと痛む。
「メローネ、もう、もう許してくれよっ」
「うん?」
「いてぇよ、うっ!いてっ」
「ほら、そんな足動かしたら恥ずかしいトコ見えるな」
「うう…」
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