小説2

□最愛の、人。
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「少し久しぶりに会ったけど。相変わらずだな、あの人は。しょっちゅうああやって俺をからかってくる…ふふっ」
いつものように、一緒に風呂に入り、髪を乾かして…楽な部屋着に着替えてから。
リビングで軽く飲みながら彼…ティッツァと会話を交わす。今日は既に外で飲んできたのだけれど、お気に入りのワインは寝る前にはかかせない。
「俺が子供の頃の話をするのはやめてほしいね。恥ずかしいったらないんだ」
「あの方は、貴方が可愛くて仕方がないんですよ」
「まぁ13の頃から育てられたからね。しかしあの人はいくつになっても変わらないよ。若々しくてね、素敵だ」
今日の話題はボスの事で持ちきりだった。先ほどまで、ボスに誘われて三人で食事をしてきたのだ。
「でも、あの方の仰っていた事は正しい」
「えっ?」
「スクアーロはとてもいい男になったと。最近は、特に。その通りですよ。貴方、本当に綺麗だ」
不意に頬に触れられる。指先でくすぐるように。
ティッツァの青い瞳。意地悪っぽく微笑んで、まっすぐに俺を見ている。
「やめてくれよ、綺麗なんてのは君みたいな男の事を…んっ!」
彼は身を乗り出して、頬を撫でていた指先を俺の首筋に滑らせる。
「ティッツァ。君、酔ってるな」
「ふふ」
熱い唇が押しあてられる。俺もそれに応え、舌を絡ませ、すみずみまでなぞる。
チュ、と音をたてて唇が離される。
俺の頭を、髪を撫でるティッツァの俯いた表情は、長い銀髪に隠されて見えなかった。


「あっ…ティッ、ツァ…」
ベッドの上。組み敷かれ、胸を舌で愛撫される。敏感な突起を吸われ、声が漏れそうになるのを耐える。
「気持ち良い?」
「んっ…」
「あぁ、赤くなってしまいましたね。君は色が白いから」
「や、め…」
「可愛い。乳首、こんな固くして」
彼はこうやって、俺の痴態をいちいち口にする。それによって俺の頬が赤く染まるのを楽しんでいる。
下半身に触れられる。既に昂ぶっている自身を軽く扱かれ、快感と羞恥心に目を伏せた。
ティッツァの形の良い唇が、それをくわえるのをじっと見ていた。
伏し目がちな彼の顔。長い睫毛と綺麗な肌。本当に女性的な、美しい顔立ちをしていると、つい見惚れてしまう…が、すぐに強すぎる快楽に思考は奪われる。
強く吸い上げられて、裏を舌でなぞられる。声を漏らすまいと耐えていても、先端を舌先で緩く刺激され、むず痒い快感につい、だらしなく声が溢れる。
「ん、あ、あっ…ティッツァ…そこ、は!」
片手で激しく擦られながらの口淫に耐えきれず、彼の口の中に出してしまう。少し笑ったように見えたティッツァの喉がコクンと上下した。
「そんなもの、飲まなくなって…いいのに」
それには答えず彼は俺の脚を開かせる。
なすがままに応じる。瞳は閉じていたけれど、彼がベッドサイドからローションを取り出したのが気配で分かった。
ひんやりとした液体の感触にゾクッとする。指先でくすぐるように弄られたかと思うと、ゆっくりと中指が入ってくる。
「あっ…ああ、んっ」
「貴方、凄くいやらしい顔してる。ふふっ」
力を抜いて彼に任せていると、指が増やされたのが分かる。恥ずかしいけれど、俺の体はすんなりそれを受け入れる。彼の手によって、そういうふうにされたんだ。
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