X'mas
□ひとり
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煌めく街
輝く夜
雪のちらつく寒い日
私はいったいこんなところでなにをやってんだか。
色とりどりの電飾が飾られた大きなツリーの前のベンチに座って、ぼんやりと街の明かりを眺めていた。
まわりにはいちゃつくカップルか家族連ればかりで少し居心地は悪かったが、もうそんなこといちいち気にしていられないのだ。
それに、毎年同じように彼氏がいないのにもいい加減もう慣れた。
彼氏がいないのが寂しくないわけでもないが、できないのなら自分なりにひとりを楽しむしかない。
社会人になって2回目のクリスマス。去年と同様、忙しくて実家には帰れなかった。
それに、友達もみんな予定があるのだ。わかっているから、誰を誘うこともなく会社帰りにここに来た。
ひとりの時間は、私の孤独に対する抗体をいつの間にか強くしていたらしい。