X'mas

□family
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「新幹線が雪で遅れてるみたいでさ、そっちにつくの5時くらいになりそう」

「わかった。気を付けて帰ってきなさいね」

「なんか買っていくものある?」

電話の向こうでは、妹が騒ぐ声がする。

「まなかがサーティワンのケーキっていってるけど(笑)」

「聞こえる(笑)買って帰るね」

「お願いね、じゃあ、気を付けて」

「うん、またあとで」

電話をきって、新幹線に乗り込む。

暖房が効きすぎているうえに、年末の帰省ラッシュで車内は混んでいて、ベージュのコートが暑く感じる。
キャリーバッグを転がしながら自分の席を探して座って、マフラーと手袋とコートを脱いだ。



今年の春から県外に就職した私が帰省するのは3回目だ。

なかなか休みがとれなかったが、クリスマスからお正月明けまで長期の休みをもらえたのは奇跡としか言いようがない。

iPodの電源を入れて、すぐに音楽を再生した。

9時に新幹線にのって向こうにつくのは3時、それから自宅までは車で二時間かかる。

頻繁に帰れない理由のひとつ。

だからこの帰省は本当に楽しみだった。
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