不協和音
□ナンバープレート
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櫻井生花店
私がバイトしているこの花屋さんは県内で一番大きな通りに面している洋風の建物で、小さいながらも華やかできれいだ。
店長ももっとおしゃれな名前をつければよかったのに、もったいない。
…今日も来た。
毎朝9時にこの花屋の前の道路挟んで向かい側にある駐車場にとまる車。
黒の普通車、けっこう有名で値段もいいところのやつだ。
荷物を整理するそぶりを見せたあと、ジャケットを着て、ミラーをちらっと見る。車を降り、隣のビルへとはいって行く。
隣のビルはデザイン関係の会社がいくつか集まって出来ているものだから、どれに勤めているのかはわからないけど。
記憶しきってしまったナンバープレートの数字をぼんやり眺めてため息をついた。