「おお振り」×「ダイヤのA」

□初日、投球練習!
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「す、ごぉぉ〜い!」
「わははは!そうだろう!!」
三橋の心からの賞賛の叫びに、沢村が豪快な笑いを返している。
正反対な性格に見えるこの2人が、実は一番初めに打ち解けていた。

青道高校と西浦高校の合同練習。
初日は身体を慣らすために軽めのメニューになっている。
まずは準備運動の後、野球はシートノックで守備練習。
そして投手と捕手はブルペンで投球練習だ。

西浦高校の投手、三橋はとにかく練習開始から驚きの声を上げ続けていた。
まずは練習グラウンドの大きさに驚き、部員の多さに驚き、その他の設備の立派さに驚く。
そしてそのたびに沢村が「そうだろ、すごいだろ!」と高笑いだ。
最初は「お前の手柄じゃねぇ」とツッコんでいた川上や降谷も、次第に面倒になった。

ブルペンに入ると、ますます三橋の驚きは続く。
まず数人が同時に投げられるスペースに「りっぱ、だ!」と驚く。
そして実際にその中に入ると、足場の感触に「投げ、やすい!」と驚く。
またしても沢村は「そうだろ、そうだろ!」といちいち盛大に答えている。

「三橋、うるさいぞ。少し落ち着けよ」
見かねた阿部が三橋を注意すると、三橋が「ご、ごめん、なさい」とあやまる。
だが御幸がフォローするように「別にうるさくねーぜ」と笑った。

「オレら沢村で慣れてるからな。」
「なんスか、それ!」
御幸の軽口に、沢村が猛然と言い返す。
だが川上に「その声がデケェんだよ」と冷静に指摘されて、沢村は言葉に詰まった。

「それじゃ、始めるぞ!」
御幸が掛け声をかけると、一気に場が引き締まった。
そして捕手たちが所定の位置につく。
阿部に投げるのはもちろん三橋、御幸には降谷、そして小野には川上、沢村は狩場だ。

こうして4人の投手は、投球練習を始めた。
両校にとって実り多い合同合宿のスタートだ。
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