「おお振り」×「ダイヤのA」

□さらに後日談、その5!
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きらきらひかる青春ラインを〜♪僕らは今〜♪走り出すよ〜♪つなぐ想いを夢の先まで〜♪
歩きはじめて2時間、2人はまだまだ元気に、歌いながら歩いていた。

そっか、レンは球数制限、されてんのか。
うん。だか、ら、いっぱい、投げ、られる、栄純、君、羨ましい!
っていうか、大事にされてるんじゃねーの?レンは大事なエースだから。
そ、そう、かな?

すっかり打ち解けた2人がまずしたことは「名前呼び」だった。
言い出したのは、もちろん沢村だ。
なぁ三橋って下の名前、何ていうの?
いきなりそう聞かれて、三橋は「レン、だよ!」と答える。
すると次からはごく当たり前に「レン」と呼ぶようになった。

お前も「沢村君」はもう止めよーぜ。
気さくな沢村の申し出に、三橋は「うおお!」と感激する。
だがここからが問題だった。
三橋はどうしても誰かを呼び捨てにすることができないのだ。
沢村は何度も「栄純って呼べよ!」と迫ったが、三橋は「ムリ!」と目を回してしまう。
結局三橋からの呼び名は「栄純君」で落ち着いた。

オレ、実家では、父ちゃん、母ちゃん、ジィちゃんの4人家族でさ。
オ、オレ、も、中学、のとき、ジィちゃん、ちに、いた。
へぇぇ。じゃあ俺らみたいに、親から離れてたんだ?
うん。そう!ジィちゃん、の、学校、通った。
え!レンのジィちゃんって学校、持ってんの?お坊ちゃまじゃん!
・・・お坊ちゃま、違う。

2人の取り留めのない会話は尽きることがなかった。
野球の話、お互いのチームの話など、共通の話題は山ほどある。
それに祖父から始まって、三橋の父方の素性も知れた。
こうして2人の距離は、ますます縮まったのだが。

三橋、まだまだ足、大丈夫か?
足はへーき。だけど、お腹、へった。
・・・そういや、オレも。
食べ盛りの2人は、有り金をはたいた食事もこなれて、また空腹を感じ始めていた。
だけどまだまだ先は長い。

お土産のお菓子、食っちまおうか?
ふと誘惑に駆られた沢村が、そんなことを言い出した。
2人ともお土産に、先程試合を見た球場の名を冠した菓子を買っていた。
ちなみに沢村が買ったのは「ドームクッキー」三橋のは「ドームまんじゅう」。
どちらもお徳用サイズなので、食べればかなり腹にたまるだろう。

だが三橋は「ダメ、だよ!」と声を荒げた。
これはあくまでお土産、プレゼントするために買ったのだから。
すると沢村も「そうだよな」と同意し「また歌うか」と三橋を見た。
三橋も頷き、またしても野球漫画のテーマソングを提案する。

きらきらひかる青春ラインを〜♪僕らは今〜♪走り出すよ〜♪つなぐ想いを夢の先まで〜♪
歩きはじめて2時間、2人はまだまだ元気に、歌いながら歩いていた。
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