「おお振り」×「ダイヤのA」

□再び合同練習、その3!
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勝ちました!
無邪気にはしゃぐ1年生たちに、沢村もよかったと思う。
だが御幸は後輩たちに「お前ら、喜んでるんじゃねーよ!」と一喝した。

合同練習2日目は、練習試合だ。
試合は2試合、行なわれる。
第一試合は午前中、双方のBチーム。
そして昼食をはさんで、午後にAチームの試合となる。

西浦はシンプルにAチームが2年生、Bチームが1年生という構成だった。
青道は甲子園のベンチ入りメンバーがAチーム。
そしてそれ以外のメンバーと1年生からBチームを選抜した。
夏にはベンチ入りしそうな実力のある1年生も、今回はBチームになる。

Bチームの試合の間、Aチームは練習だ。
本当は観戦したいところだが、短い合宿期間、とにかく練習時間が惜しい。
だから沢村は試合をしているグラウンドの歓声を気にしながらも、ブルペンで投げていた。
Aチームの試合は沢村が先発なので、御幸が受けてくれる。
川上や降谷、三橋も同様に投球練習中だ。

だが昼少し前に、Bチームで投げた青道の1年生が数人、ブルペンに駆け込んできた。
嬉しそうな表情から、勝ったのだとわかる。
沢村は「どうだった!?」と聞くと、1年生の1人が「6対0です!」と叫ぶ。
6対0。点差だけで判断はできないが、まぁ危なげなく勝ったと言えるだろう。

勝ちました!
無邪気にはしゃぐ1年生たちに、沢村もよかったと思う。
だが御幸は後輩たちに「お前ら、喜んでるんじゃねーよ!」と一喝した。
単に投球練習場で騒いだことを窘める感じではない。
その顔は本気で怒っているように見えた。

なんで怒ってるんだ?
沢村は首を傾げながら、御幸を見る。
だがその表情は本当に厳しくて、沢村はその理由を聞くことができなかった。
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