「おお振り」×「ダイヤのA」

□3日目、全日程終了!
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「起きろ、三橋!」
阿部はただでさえ大きな声を張り上げる。
御幸も沢村も驚き、思わず肩を竦めたが、当の三橋は爆睡したままだ。

長いようで短かった青道高校と西浦高校の合同練習は、全日程が終了した。
2泊3日を共に過ごし、練習試合を2つこなした。
何よりもこの2校は、部員の数も練習環境も、なにもかも違う。
自分たちとはタイプの違うチームと練習できたのは、お互いいい刺激になった。

楽しい時間だったが、これで終了だ。
帰りは青道高校の遠征用のバスで、西浦高校の部員たちを最寄りの駅まで送る手はずだ。
そのバスも準備が整い、いよいよお別れ。
だがそのときになって、ちょっとしたハプニングが起きた。
夕食の後、眠ってしまった三橋が、食堂のテーブルに突っ伏したまま起きないのだ。

「三橋、みーはーし!起きろって!」
懸命に揺さぶったり、叩いたりしているのは青道にもすっかり三橋の兄貴と認知された田島だ。
だがすぐに阿部が飛んできて「右腕を引っ張るな!」と怒鳴る。
西浦だけでなく、青道の面々まで「またか、過保護」と顔をしかめた。

「起きろ、三橋!」
阿部はただでさえ大きな声を張り上げる。
御幸も沢村も驚き、思わず肩を竦めたが、当の三橋は爆睡したままだ。
それでも何度も起こしているうちに、三橋はうるさそうに身じろぎする。
そして寝ぼけているのか「まだ、投げる、よ」などと呟いていた。

「今日はよく投げたんだから、もういいんだよ」
阿部は呆れたようにそう言うと、三橋のフワフワした髪をサラリとなでた。
西浦高校の面々はもう慣れたもので、スルーだ。
だが青道高校の部員たちは、その光景に何だかドキリとした。
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