「おお振り」×「ダイヤのA」

□3日目、試合後、投手談義!
1ページ/3ページ

「青道の寮、ご飯、美味しい、ね!」
三橋はニッコリと笑うと、健啖な食欲で食べ続ける。
かなりがっついているのに、下品に見えないのが不思議だ。

青道高校と西浦高校の2日に渡る練習試合は終わった。
合宿を兼ねて、青道の寮に滞在していた西浦の面々は、今日帰る。
だが最後に、青道の寮で夕飯を共に食べることになっていた。
ここで会ったのも何かの縁、親睦を深めておこうということだ。

食事はポジションごとで固まることになった。
つまり三橋は沢村、降谷、川上と一緒だ。
三橋の元気いっぱいの「うまそぉ!」コールに、3人は一瞬たじろぐ。
だがすぐにやや恥ずかしそうに「うまそぉ!」と宣言し、箸を取った。
そして3人は、勢いよくご飯を頬張る三橋に、再びたじろぐことになった。

「よく、食べるなぁ。。。」
降谷が呆然と呟く。
「オレ、胸焼けしそうだ」
川上はそう言いながら、胃の辺りをさすった。
「負けねぇ!」
沢村はなぜか闘志を燃やして、食事をかっ込んでいる。

「青道の寮、ご飯、美味しい、ね!」
三橋はニッコリと笑うと、健啖な食欲で食べ続ける。
かなりがっついているのに、下品に見えないのが不思議だ。
川上が呆れたように「普段からそんなに食うの?」と聞く。
すると三橋はコクコクと頷くと「でも、身体、なかなか、大きくならない」と答えた。

「三橋。それ、増子センパイに言ったら、命が危ないぞ。」
川上が心配そうに辺りをキョロキョロと見回した。
今日の試合を観戦していた3年生たちが、寮の方にも顔を出していたのだ。
監督に「もっと食え」と言われる野球部員の中で、唯一「お前は食うな」と言われた3年の増子。
しかも引退後、顔を合わせるたびに身体が大きくなっている気がする。
もしも彼が今の三橋の言葉を聞いたら、暴れ出すかもしれない。

「三橋、よく噛んで食えよ!」
不意に背後から声が聞こえ、三橋がほとんど脊髄反射の勢いで「よく、噛む!」と叫んだ。
西浦の捕手、阿部だ。
川上は「お前んトコ、結構過保護だな」とため息をついた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ