■短編

□ヘタレ獣人*凄腕ハンター
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「さて、この辺だな」

俺はひとり、うっそうとした薄暗い森の中にいた。俺の職業はハンター。依頼を受け、人に害をなす獣や魔物を退治し報酬を得ている。
今回の依頼は近隣の町の人々を襲い、死者は出ていないものの数人の怪我人を出している獣人の退治。聞き込み調査では、この辺が出没区間だ。

ガサガサ、と茂みが揺れた。

「!」

かと思った次の瞬間には、俺のすぐ背後に気配。振り返るとまだ若い獣人がいた。頭の上部にピンと立つ獣耳。両頬には特徴的なタトゥーがあった。

「人間。怪我したくなかったら持ってる荷物全部置いていきな」

男が言った。

「嫌だ、と言ったら?」

俺は挑発的な口調で口元で笑って見せた。すると男はムッと表情をした。

「血ぃ見る事になるぞ」
「のぞむところ」

手の平をパンっと併せた。次の瞬間、男の周りを光りの輪が囲った。

「なっ!?お前、術師か!?」
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