〜 2 1 5 号 車
□AZEL〜第2部
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エルノアは緊張しながら、手をそーーーーっと伸ばしていた。
そして、しばらく間を空け、覚悟を決めるとインターホンを押した。
「エルノアですけどー」
出発の朝、エルノアは荷物を抱え、アルドの自宅へやって来ていた。
「開いてるから入ってー」
アルドの声が聞こえた。エルノアはドアをキィと音をたてながら開き、中に入った。
「お邪魔します…って…それ…何ッ?!!」
玄関に入った瞬間、青紫色っぽい、歪んだモノを見て、エルノアは腰を抜かした。
「わりぃわりぃ、これが向こうへ行くゲートね」
軽く謝罪を入れ、続けた。
「さ、準備整ってるし、行くとしますか」
「何かドキドキする…」
2人は開かれているゲートに入り、奥に向かって歩き始めた。