本
□ナルシス・ノワール
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今日は誕生日。
朝から同室の子や仲のいい子達がおめでとう、とプレゼントをくれた。
お母様とお父様からもプレゼントが届いていた。
「名無しさん!誕生日おめでとう。これ、俺らからプレゼントな。」
「おめでとう。」
「ありがとうございます!」
兄さんと、兄さんのお友達のリーマスさんがお祝いの言葉とプレゼントをくれた。
プレゼントはジェームズさんとピーターさんと四人で選んでくれたみたい。
ジェームズさんたちは私がスリザリンにも関わらず、とても仲良くしてくれている。
いつも悪戯ばかりしている、愉快な人たち。
「あ、お兄様」
「名無しさん、お誕生日おめでとうございます。」
「おめでとう!」
「ありがとうございます、お二人とも。」
「これ僕とマルシベールからです。」
「気に入るといいけど。」
「開けてもいいですか?」
「勿論。」
開けてみると、黒い花をかたどった蓋が印象的な瓶の香水と、タンザナイトが埋め込まれた髪飾りが入っていた。
「タンザナイトの宝石言葉は、誇り高き人です。ブラック家の人間として、僕の妹として、どうか誇り高き人でいてください。」
「…!はい!ブラック家の名に、お兄様の名に、恥じぬような人間であります!」
「えぇ」
あまりの嬉しさに涙がでてくる。
そこまで考えて選んでくれたんだ、と。
泣き出す私に微笑みかけて優しく頭を撫でてくれた。
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