デュラララ
□毒入り珈琲をどうぞ
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「真心、コーヒー」
私はコーヒーじゃないから!
コーヒーいれてくれる?ぐらい言えないのか!
「真心」
「はいはい」
どうせ何言っても言い負かされるから何も言わないけど。何で今日波江さんいないかなぁ。臨也さんと2人って嫌なんだけどなぁ。
「どうぞ」
「ありがと」
臨也さんは特に気にもとめることなくコーヒーを口にした。
でも、一口飲んだらすぐに飲むのを止めて、眉をよせた。
「真心」
「はい?またコーヒーですか?」
「そのコーヒーなんだけどさ」
別に普通にいれたけどな。何で臨也さん怖い顔してんだろ?
「甘くない?」
「あ、砂糖いりませんでした?」
「いや、俺はどっちでもいいんだけどね」
「じゃあ良いじゃないですか」
何が不満なんだろう。
「明らかに入れすぎだよね」
飲みかけのコーヒーを受け取る。
臨也さんはため息をついて、自分で用意するのかキッチンへ入って行った。
そんなに甘いかな?
飲みかけのコーヒーを口にすると、特に問題は感じない。
「臨也さん。これ何か問題あります?私、いつもこのくらいですよ」
「俺は今君の味覚に疑問を感じるね」
「甘い方が美味しいのに」
「俺絶対君と食事したくない」
「ご飯は普通ですよ?デザートとかだけです」
ただのコーヒーは苦いから飲めないのに。
甘いコーヒーを捨てて、臨也さんが座ってた椅子に座る。
ふわふわで、座り心地が凄く良い。
目の前のパソコンには、よく分からないことが書いてあった。
この人何してるんだろ。
「邪魔」
腕を掴まれ無理矢理立たされる。
「これ、何やってるんですか?」
「真心には関係ないから。変に詮索しないでね」
「…はい」
「いい子だね」
言いたいことは沢山あるけど言わないでおく。
後ろから画面を覗き込みながら考えていると、急に臨也さんが振り向いた。
優しく頬を撫でられ、顔が近づいてくる。
私は拒むこともなく黙って受け入れる。
「…甘い」
「苦い」
お互い顔をしかめる。
「止めなよ。あんなに甘いの」
「嫌ですよ」
呆れたようにため息をつくと、もう一度唇を重ねた。