デュラララ
□最後は貴方に
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最後は臨也が終わらせてね。
白い部屋で、一際存在感を際立たす黒髪をなびかせながら真心は言った。
「…何言ってるの」
「だって、嫌だから。このまま死んでいくなんて」
「なんで俺なの?」
「最後くらい、恋人のお願いきいてよ」
あなたに殺されたいの。
なんて言う真心は少し笑っていた。
真心は本当に死期が近い病人なのか、と疑問に思うほど元気だ。
元気に、見える。
「いいよ。俺が終わらせてあげる」
そう言うと真心は嬉しそうに笑った。
真心は手招きして俺を呼び、胸に顔を寄せた。
落ち着くのだと、言っていた。
心臓の音が心地好いらしい。
俺は真心の額に、頬に、首筋に、胸元に、唇にキスをした。
「…ん、臨、也」
一度唇を離して抱きしめる。
真心の熱い息が耳にかかる。
「 」
真心が囁いたと同時にもう一度口づけた。
真心の目から涙が落ちる。
細い首に手をかける。真心は目を閉じ、涙を流し続けている。
小さい体をベッドに押し倒し、唇を離す。
真心は微笑んで俺の頬に手を添えた。
「臨也、お願い」
俺はまた口づけて、手に力をいれた。
「酷い女だよ。君は」
俺を一人残して。
俺がどんな思いで君の首を絞めたかも考えなかったんだろうね。
「ごめんね。愛してるよ」
そんな言葉じゃ許されないよ。