デュラララ

□もう一度2
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池袋に帰ってきた。

帰って来たかった気もするし、帰って来たくなかった気もする。





会いたい。

でも、会ってどうする?


「ごめん」って、「好きだよ」って言う?

…どれも間違いな気がする。






結局悩みまくって、動けずにいる。
俺の意気地無し。


でも、本当に会いたかったんだ。
忘れたことなんてなかった。



「真心」



呼んだってもう、応えてくれないんだ。



気がつくと、来良生がちらほら目についた。
もう、下校時刻になってた。
俺が池袋に着いたときには午後だったし、当たり前か。


何ヶ月か前まではあの中の一人だったのにな。



ふいに聞き覚えのある声が聞こえた。


「…帝人」


幼なじみの竜ヶ峰帝人だった。
隣には高校でできた友達の園原杏里もいた。


「七瀬さん!」


一瞬呼吸が止まって、目が逸らせなくなった。
帝人と杏里に近づいた少女に。

彼女を見たら、泣き出しそうになった。
別れたあの日から、全然変わってない。




俺は無意識のうちに三人に近づいていた。



杏里が俺に気づいた。
驚いて、目を見開いている。
帝人も気づいた。
真心も、気づいた。


「まさ、おみ…?」


声を聞いた瞬間、真心の手をとって走り出していた。

帝人と杏里が俺を呼んでいる。
街の音も、何も聞こえない。
聞こえるのは真心の声だけだった。




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