デュラララ

□笑顔の裏は
1ページ/2ページ



「真心さん」


「また来たの?」


これでもう一週間だ。
彼が私に会いに来るのは。


「よく飽きないね」


少し私より小さい彼の隣に腰掛ける。


「真心さんが好きだからですよ」


爽やかな笑顔を振り撒く彼にため息がでる。
かわいい顔をして性格は歪んでいる。


「君は私が好きなんじゃないでしょ」


そんなことないですよ、と言う青葉君は。
この間まで中学生だったとは思えないぐらい落ち着いている。


「青葉君は私に興味があるだけでしょ?臨也のそばにいる私に」


「そうですね」


あっさり肯定する。
にっこりと笑う姿はまだ幼さが残るかわいい男の子なのに。


「でも、でも僕は真心さんのことが好きなのは本当ですよ」


青葉君のことは本当にわからない。
たまに臨也と話している気分になって嫌になる。


「青葉君は臨也に似てるよね」


珍しく青葉君の顔から笑顔が消え、眉間にシワを寄せた。


「あんな人と一緒にしないでください。不愉快です」


「そうだね。似てるけど全然違うよ臨也と青葉君は」


青葉君は不思議そうに私を見つめる。
それはそうだろう、こんなに話をしたのは初めてだ。


「青葉君は臨也に敵わないよ」


青葉君を見ると一瞬大きく目を見開く。
しかしすぐに普段道理に戻る。


「どういう意味ですか」


私が笑ってることでさらに機嫌が悪くなっていることだろう。


「そのままの意味だよ。私が臨也じゃなくて青葉君を選ぶことなんてない。
それだけは言い切れるよ。だから青葉君は臨也に敵わない」


「そんなに折原臨也がいいんですか。あんな人のどこがいいんですか?」


心底不思議だというように首を傾げる。
そんな質問もう聞き飽きたんだけどね。


「どこだろうね?あんな最低な男のどこがいいんだろうね私も」


青葉君は呆れたように私を見る。
だって本当に分からないんだからしょうがないでしょう?


「でも、でもね、私は臨也が好きなんだ。どうしようもないくらい愛してるんだよ。
人間を愛してるなんて言う、だけど人間を駒みたいに扱う臨也をね」


青葉君は黙って私の言葉を待つ。


「いいんだよ。私のことも駒として扱っても、ただ利用されてるだけでも、そばにいられるならそれだけでいいんだよ」






臨也のことは大嫌いだけど、それ以上に愛してるから。

私は立ち上がり青葉君の正面に立つ。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ