デュラララ

□暇つぶし
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家に帰ると玄関に秘書の波江のじゃない見慣れない靴があった。
とりあえずリビングに入ると見慣れた人間がソファに座っていた。


「何してるの真心」


声をかけると持っていた煙草の火を消してゆっくりこっちを見る。


「おかえり」


「何してるの?」


「女の人が入れてくれたのよ」


答えになってない。
かみ合わない会話を断ち切って彼女の隣に座る。
彼女は煙草を取り出し火をつける。


「久しぶりだね、臨也君」


白い煙を吐きながら微笑む。


「1週間前に会ったよね」

「そうだっけ」


相変わらず高校の時から変わらない。
いつも神出鬼没で何を考えてるか分からない。

それでも高校で関係は切れることなく、卒業してからもたびたび会いに来る。


「仕事いいわけ?」


「臨也君に心配されるようなことはないよ」


別に心配なんてしてない。
煙草が短くなり消すと、もう一本取り出す。


「部屋に匂いつくんだけど」


「いいじゃない」


やだよ、と言うと煙草をなおした。
それから数十分雑談して彼女は立ち上がった。


「もう行くね」


ホントに何しに来たんだ。


「じゃあね、臨也君」


そう言って玄関に向かう。


「じゃあね真心」


玄関の閉まる音がしたので帰ったのかと思ったら、音が近づいてきた。

真心が目の前に立つと俺の頬に手を添えて唇を重ねる。
すぐに舌が侵入してきて口内に煙草の味が広がる。
真心は唇を離し微笑む。


「また来るね臨也君」


「またね真心」




彼女と俺のよくわからない関係はきっとまだ続く。
それで俺は彼女の暇つぶしに使われるのだろう。














(まぁ、いいけど)(次は何しにいこうかな)

 

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