デュラララ

□彼女は愛を奏でる
1ページ/1ページ




「好きよ」


僕にそう言うのは、幼馴染の真心。
彼女は学校の中で上位に入る美少女で、性格も悪くないので男女問わず人気がある。

普通の男子なら、そんな彼女に告白されて嬉しくない人はいないだろう。
しかし今告白されているのは僕であり、問題なのはここは教室のど真ん中で、クラスメイトも大勢いるということ。


「ごめん真心、僕には愛する女性がいる。それに君には首から上があるじゃないか」


「そのセリフ聞きあきたわ」


そう、彼女が僕に告白するのはこけが初めてではない。
小学生のころからこの会話を繰り返している。


「君が同じことばかり言うからだろう?」


「私は本当のことを言っているだけ」


落ち込むどころか笑ってそう言う彼女は、振られることがあたりまえだと思っているのだろう。


「でもね新羅、あなたが望むなら私は私の首から上を切り離してもいいのよ」


にっこり微笑む彼女は、嘘でも冗談でもなく本気のようだ。


「でもね、私は人間だから首を切ってしまったら死んでしまうのよ」


そうだね、と軽く聞き流す。


「死んでしまったら、あなたを見ることも触れることもできないでしょう?」


そう言いながら僕の頬に手を伸ばし、輪郭をなでる。


「聞きあきたよ、そのセリフ」


今度は僕が真心に言い返す。


「何度でも言うわ」









あなたに愛が届くまで











(好きよ、ずっとずっとあなたが好き)

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ