デュラララ
□彼女は愛を奏でる
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「好きよ」
僕にそう言うのは、幼馴染の真心。
彼女は学校の中で上位に入る美少女で、性格も悪くないので男女問わず人気がある。
普通の男子なら、そんな彼女に告白されて嬉しくない人はいないだろう。
しかし今告白されているのは僕であり、問題なのはここは教室のど真ん中で、クラスメイトも大勢いるということ。
「ごめん真心、僕には愛する女性がいる。それに君には首から上があるじゃないか」
「そのセリフ聞きあきたわ」
そう、彼女が僕に告白するのはこけが初めてではない。
小学生のころからこの会話を繰り返している。
「君が同じことばかり言うからだろう?」
「私は本当のことを言っているだけ」
落ち込むどころか笑ってそう言う彼女は、振られることがあたりまえだと思っているのだろう。
「でもね新羅、あなたが望むなら私は私の首から上を切り離してもいいのよ」
にっこり微笑む彼女は、嘘でも冗談でもなく本気のようだ。
「でもね、私は人間だから首を切ってしまったら死んでしまうのよ」
そうだね、と軽く聞き流す。
「死んでしまったら、あなたを見ることも触れることもできないでしょう?」
そう言いながら僕の頬に手を伸ばし、輪郭をなでる。
「聞きあきたよ、そのセリフ」
今度は僕が真心に言い返す。
「何度でも言うわ」
あなたに愛が届くまで
(好きよ、ずっとずっとあなたが好き)