VitaminX-Z
□かわいいよね
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classZ一芸を持つ生徒が集められているクラス。
実際はただのアホの集団で問題児ばかりのクラス。
私はその中の一人で、3年になってこの学園に来た。
転校は面倒だったけどA4とか友達いっぱいできたからべつにいいんだけど、私が今気になっているのはそんなことじゃなくて、
「アラタ〜、ちゅーしよぉ」
「向日葵ちゃんはHIT(ホント、いつも突然)だよね」
「いいじゃーん、しよ〜よ〜」
「俺もぜひお願いしたいけどさぁ」
リーゼントを直しながらちらり、と顔を真っ赤にして震えている慧を見る。
「苗字名前!!」
「なぁにぃ〜」
「何じゃない!!お、お、お前は、ひと、人前で、何をっ!」
「何ってキス?」
ダンッと机を思い切りたたく。
「不純異性交遊なんて、僕は認めないぞ!!」
「ほーじょーキスくらいでおおげさなんだけどぉ」
「名前〜、問題なのはぁ、多分ここが教室で補習中だからなりよ〜」
「なるほど、八雲頭いい〜」
なるほどじゃない!と慧が叫ぶ。
「だいたい苗字、お前はいつも!」
長い説教がはじまる。
苗字はじっと見つめてそれを聞いている。
「ほーじょーってさぁ」
「お前は話を聞いているのか!!」
「きいてるよぉ、だからほうじょうはぁ」
聞いていないだろう!と苗字に詰め寄る。
「ファーストキスは経験済み?」
苗字の目の前まで来て慧の動きが止まった。
再び顔を赤く染め、口を金魚みたいにぱくぱくさせている。
まだなんだ、と苗字は一人で納得して笑いかける。
慧が何か言おうと口を開きかけたとき一瞬、苗字と唇が重なった。