デュラララ

□水没
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水の中で、臨也は私にキスをした。
隙間から水が入ってきて苦しい。


長いキスに限界がきて、意識が遠退く。
そしたら体が引き上げられた。



足りない酸素を必死で吸い込む。
肩で息をして、呼吸を整える。言いたいことがたくさんある。



「臨也」


文句を言ってやらないと気が済まなかった。
だって死ぬかと思った。


でも、何も言えなかった。
抱きしめられていた。
強い力で、思い切り。


「臨也?」


「やめてよ」


「え?」


「俺の前でシズちゃんの、他の男の名前なんて出さないでよ」


まさかそんなこと言われるとは思わなかった。
まるで、臨也は私のことが好きみたいのことを。


「ごめんなさい」


「ん」


なんで私が謝っているんだろう。
でも、文句なんか言えなかった。
離して、なんて言えなかった。



「真心」


いつものからかう感じじゃなかった。
またキスをされた。




何なんだろう。
何でキスされてるんだろう。

よく分からないけど、心地好くて臨也に流される。














沈んでいく。
私の心が、体が、沈む。
私の心に臨也が沈んでいく。




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