創作【SAINTSEIYA:LostMemory's〜隠サレタ聖戦・古キ者達ノ咆哮〜】

□第四話【弟子、来たる】
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聖域十二宮・白羊宮前−−

聖域の入口で有り、アテナ神殿ヘと続く第一の守護宮。
その入口前に、五人の少年少女が大きな箱を背負って立っている。
彼等は、聖闘士の強さの序列で言うと、三番目に位置する青銅聖闘士(ブロンズセイント)である。

そして、彼等の背負っているのは聖衣を納めるための箱…【聖衣匣(クロスボックス】

本来、彼ら青銅聖闘士は、聖域に滞在している者は僅かである。彼らの殆どは己の修業地で師の留守を護り、任務があれば聖域に赴く程度。
そんな彼等が何故、今いるのか。それは、教皇が黄金を集結させたその日、彼等の師である黄金聖闘士が呼んだからに他ならない。
また、彼等は師が違うし、修行地も違う。こうやって会えるのは珍しいことだった。

ゆえに、彼等がお互いに聖衣と名を明かすのは至極当然の行為となる。
彼らは、聖衣匣を置き、それぞれ、近くの岩に座ると、自己紹介を始めた。メタな話し、此処で名乗っておかないと、流れの都合上不便なのだ。

 まず、癖のある黒髪で青眼の少年が名乗る。
「俺は、カイル。天馬座の聖闘士だ。師は現射手座のキュリオだ。兄は琴座の白銀聖闘士。よろしく頼む」

「ボクはアンドロメダのエリオーネ。魚座のエレニオの弟子で、妹だよ。ヨロシクね」

「俺は、白鳥座のスウェル。水瓶座のクレイアードは俺の師だ」
 
「俺の名は龍焔〈ロウエン〉。龍座の聖闘士であり、天秤座の弟でもあり弟子だ。」

「鳳凰座のライナス。師は双児座の黄金聖闘士レン。」

自己紹介が終わり、暫くの沈黙が続き、ある一人に四人の視線が集中した。その先はエリオーネである。

「女ぁ!?」

全員の気持ちを代弁するかのようにライナスが声を上げる。
当の本人はシレッとした態度で頷き、逆に聞く
「うん。何?何かおかしい?」
それに対するライナスの言葉は誰もが言うしかないもので。
「おかしいも何もお前…、その服は男のじゃないか。しかもサラシ…。」
「だって…、ヒラヒラ嫌なんだもの。それにこっちのほうが動きやすいしね。」
「それにしたって、仮面どうした仮面!?」
「……あぁ〜。邪魔だからつけてないや。先代の魚座である祖母も許してくれたし、教皇だって、男として過ごすならって言ってくれたからね。」


((((んな、馬鹿な・・・))))



目の前で男四人が思う中、エリオーネは呑気に周りの草や土を弄っていた。そんな鎖乙女座の少女(男装)を前に、ペガサス座のカイル達4人はしばらく絶句し目線で会話をする。

(え?師と兄が許したから仮面つけないって…)
(そんなのアリか?)
(いや、無いだろ。聖域の常識的に)
(教皇以前に、最年長黄金でもある射手座と双子座が倒れるな)
(ま、まさかキュリオ先生に限ってそれは・・・。無いとは言い切れないけど)
((((でも、サラシはともかく、仮面着けろ、仮面))))

少年四人の心が重なった瞬間だった。
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