創作【SAINTSEIYA:LostMemory's〜隠サレタ聖戦・古キ者達ノ咆哮〜】

□第三話【女神覚醒〜後編】
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その日の深夜−−−

「ふぅ……」
アウリティアは寝付けないのか、人馬宮居住区の入口に座り、夜風に当たっていた。
「……私がアテナ………」

教皇から『アテナなのだ』と聞いてから、アウリティアはずっと悩んでいた。
(御祖父様は私がアテナだと確かに言ったわ……)

夕方に教皇の言った言葉が、脳裏に焼き付き消えなかった。
いきなり言われて困惑したが、それでもあの言葉だけは頭から消えない。
(でも……私にはアテナとしての記憶が無いわ……。)


「御祖父様はじきに思い出すと言っていたけれど………」

呟き、アウリティアは大きな溜め息を吐いて夜空を見上げる。

それは言い表せないほど満天の星空。そして、きらめく幾多の星座。
「今日はたくさん出てるのね……。アンドロメダ……白鳥……。だめ、数えきれない」

ついつい、クスッと笑みが漏れ、ある一つの星座が目についた。

「あれは……ペガサス……でも……なんか変ね…」

何がどう変なのかはアウリティアにもわからない。しかし、直感的に違和感があった。

「…………星が足りないような……気のせいかしら?」

そう言って立ち上がると、強い風が吹いた。
「寒いわね……戻りましょう」
そして、アウリティアは自分の部屋に戻って行った。
その時、ある映像が脳裏を過ぎったが気にもとめなかった。
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