長い夢
□君は誰?
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::::柊side::::
家で退屈してたら、なんか櫻井さんから要請がありました。
あーあ、せっかくツタヤに出向こうとしていた折だったのに。
まぁ、早く全員と会話をしてみたかったからいいんだけどね。
それにしても、あんまり知らなかったけど、嵐ってホントに人気があるらしいですね。
ずっとドラマの仕事でナウいことって知らなかったけどさ。
今日は嵐の曲をかける。
妹がずいぶん前に「とにかくいいから!」と貸してくれたもの。
実は聴いてなかった……
んー。
ずいぶんさわやかな曲だっちゃ。
ハンドルを握りながら耳を澄ます。
そのうち喫茶店の窓越しの櫻井さんの姿が目に入った。
英字新聞でも読んで待ってるのかと思ったけど、日経かな、あれは。
新聞を読んでることに変わりないけど。
なかなかこっちに気が付かないので、喫茶店の中に足を踏み入れる。
柊「櫻井さん」
櫻井さんははっとこっちを振り向く。
櫻「ああ、気付かなかった。ごめん。」
ゆっくりと席を立つ。
スーツが似合いそうだなぁ、とか思いながら車へ先導する。
櫻「相葉ちゃんとニノに、乗ったって聞いてね。」
柊「あ。なんか言ってました?」
櫻「運転が丁寧だって。」
柊「それはそれは。」
運転が丁寧?
……雑な人なんているの?
……まぁいいや。