長い夢
□君は誰?
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大「ねぇ。」
大野さんが、ちょっと真面目な顔をして、こっちに向き直る。
柊「なんでしょう。」
大「辛いことがあるんだったら、オイラに相談してよ。」
柊「辛いこと、ですか……。」
大「頼りないかもしれないけどね。」
前々からあった、自分の甘えが顔を覗かせる。
大野さんになら、自分の正体を喋っても、大丈夫じゃないのか。
大野さんの目を見る。
……綺麗な色だな。
きっと私とは違う世界が見えてる。
柊「ほうれん草のちょうど良い茹で時間が分からないんですけど、大野さんに相談するようなことでも無いですよね。」
大野さんが、ふふっと笑う。
柊「大野さん、なんだかカッコいいです。」
大「柊ちゃんは、嘘が上手。」
大野さんは、なんでもお見通しだ。
柊「敵わないなぁ。」
大「ちょっとだけ、話してくれない?」