短編


□振り向いて
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ガラッ――

玄関のドアが開く音だ

毛倡妓は、つらら達が帰ってきたと思って向かったがそれは

達≠ナは、なかった

つららだけ≠セった

それに驚いた毛倡妓は

「アンタ!リクオ様はっ!?」

つららは、毛倡妓に顔を向けようとしない

「・・・・・青に任せてきた・・・」

毛倡妓はつららの顔を見ると目が腫れているのに気づいた

「つらら、どうしたの」

「・・・何でもないわ。早く夕飯の支度しましょ」

つららは毛倡妓の横を通り抜けようとしたが毛倡妓がつららの手を握る

「何するの?早く支度しないと夕飯間に合わないわよ?」

「そこらへんの小妖怪達に任せるから平気よ。それよりその目どうしたの」

つららは、毛倡妓のその一言に涙が出てくる

つららの脳裏では今までのことが浮かんでいたのである

「つららっ!?」

毛倡妓は、その涙に驚き

「場所を変えましょうか」

その言葉につららは小さく頷く



場所を変え毛倡妓は何があったのか聞いていた

その質問につららは今まであったことを話した


リクオ様に自分のチョコを受け取ってもらえるか

やっぱりリクオ様から嫌われているということ


その話を聞いた毛倡妓は、呆れていた

次の瞬間毛倡妓の声が響いた


「全部、自分から諦めてんじゃないっ!!」


つららは

「諦めている・・・・・?違う・・・あたしはっ!―――」

「勇気がないだけじゃない!最初から鬱になって!!それじゃそんな感情にもなるわよ!」

「う・・・鬱・・・・・?」

「そうよ、アンタはただ結果を恐れているんでしょ?」

つららは毛倡妓の言葉一語一句に意味を感じた

「結果を恐れていたら何にも始まんないのよ?」

つららは毛倡妓の言葉に助けられたのかもしれない

しかし

つららは気になっている点が一つだけあった

「でも、毛倡妓・・・」

「何?」

「リクオ様は、もうあたしのこと・・・・・嫌いって・・・」

毛倡妓はつららの一言に激怒した


パシッ――


「何するの!毛倡妓!!」

そうつららはぶられたのだ

「アンタ今の話聞いてなかったの!!!?」

「聞いてたけど、別じゃないっ!!」


「別じゃないわ!アンタの話から聞いてたらリクオ様はアンタのことが好きよっ!?」


つららはその言葉に心温まるような感じがした

「リクオ様があたしのことをすき・・・?」

「そうよ。だからつらら作りましょう?」

「え・・・?何を?」

「何をって、チョコに決まってるじゃない!!バレンタインチョコ!」

つららは毛倡妓の言葉に救われたのか

「分かったわ!作る!」

そしてつららと毛倡妓は台所に向かったという

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