短編
□命令には・・・
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「いいかい?つらら!人の前では妖気を使わないこと!」
「えー、でもリクオ様、もしもリクオ様があんな目にあったら・・・」
「それは大丈夫だよ!学校ではそんなことないからね!」
「もしも!ですよ!もしも!!」
「はいはい。分かったから、だからいいかい?つらら、妖気は使っちゃいけないよ?」
「・・・はい。」
つららは、昔リクオから言われていたことを思い出した。しかし、つららは黙っていられなかった。
ずっと、ずっと傍にいると誓ったお方だったから――
(ごめんなさい・・・リクオ様・・・私は!)
つららは、冷気を放った。
「何!?寒くない!?」
「今夏なのに!?」
「ヤバイ!寒すぎるよ!」
という声が聞こえる中、つららは
「あれ?皆さんどこがそんなに寒いんですかぁ?」
と、上から目線で挑発的に言った。
挑発に乗ってしまった女子たちは、つららの手を掴んだがすでにその腕は雪女≠フ手でありすぐに放した。
「なんで、こんなに冷たいのよ!!」
そういうと「及川氷麗は只者じゃないわ!!」と言い残し屋上を後にした。
しかしカナだけは、その場から離れず隠れていた。
そう。カナは及川氷麗は只者じゃないと感じていた。
(絶対何かあるはずよ!!探ってやるわ!!)
すると、階段の方から足音が聞こえてくる。
バンッ!!
「つらら!!!」
「リクオ様!!」
「つらら、大丈夫!?」
「大丈夫って・・・どうしてここに!?」
「胸騒ぎがしたんだ・・・・・」
そしてリクオがあることに気がつく
「つらら」
「はい?なんでしょうか?」
「妖気使ったね・・・?」
「!!!ごめんなさいいいい!!!」
「何があったの?」
リクオの言うとおりにつららは今までのことを話した。
――――――――
「そうだったのか・・・」
「はぃ・・・」
つららはいつのまにか目がボヤけて涙目になっていた。
「でもねつらら―」
リクオはつららを抱きしめた。
「!!リ・・・リクオ様!?」
「僕がずっと好きなのはつららだけだよ?」
「若っ!」
「つららは、僕のこと好き?」
「も、勿論ではありませんかっ!!///」
その後景をみていたカナは、話している内容は分からなかったが
リクオがつららを抱いていた姿は見ていた。
(ど、どういう関係なのよおおおおおおおお!あの二人!)
カナの存在に気づいていた二人はカナの視野から見えないところに隠れ
「ここから逃げようか」
「ぇ、えええ!!冗談はやめて下さいよ!」
リクオが示した行動とは
そう、飛び降りる
ということであった。
「な、なに言ってんですか!!若!」
「何って飛び降りるってことだけど?」
「冗談はやめて下さいよぉ!!」
泣きっ面のつららに対しリクオはつららをお姫様抱っこし
飛び降りた。
「妖怪になればなんも問題ないだろ?」
「ぁ・・・そうでしたね!!」
というと、リクオにつられつららも妖怪の姿に変化した
「って、ここ学校ですよおおおおお!!!」
というつららの声は届いてないフリをしそっと唇を重ね合わせた
「ずっと愛してるぜ?つらら」
「ふふ、私もです。リクオ様」
そういうと、部活のことは忘れてるのか家に帰ってしまった。
一方カナはリクオたちが隠れていた所に向かったが誰もいなかった。
しかし、下を見るとそこには彼≠ェいた。
そう、妖怪の主が――
しかも、その隣には及川氷麗に似た側近という人が一緒にいた。
(ど、どうしてあの人がここに!?)
と思いながらも、皆がいる部室へと向かって行った。