短編


□オソロイ
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奴良組本家――

リクオはつららの帰りが遅いとソワソワしていた。
すでに外は夜。当然リクオも妖の姿となっていた。

「おい、首無。つららはまだ帰ってないのか?」

「ぁ、はい。まだ帰っておりません。」

玄関掃除をしていた首無に聞くが、求める答えは帰ってこない。

「雪女に何かあったのでしょうか?」

「まさか、襲撃とかはないでしょう!?」

首無と毛倡妓の会話にリクオは耳を立てる

(こうしちゃいられねぇ。探しにいくしか――)

と思った瞬間

「リクオ様ー!!雪女が帰ってきましたよー!」

「本当かっ!?」

首無からの朗報にすぐさま玄関にいく。


「つららっ!」

「若!申し訳ございません!こんなに遅くなって」

「もう心配させるんじゃねえよ?」

「はい!」

リクオはつららをおもいっきし抱きしめた。

「りくおさま・・・」

つららはリクオの手から解放された後

「そういや、なんでこんなに遅かったんだ?」

リクオからの質問にあった

「ぁ、それはですね・・・」

つららは鞄をゴソゴソをあさくる。

「あった!これです!」

「なんだ?これ」

リクオに渡されたのはラッピングされた袋だった

「開けてみてください!」

「ぁ、あぁ。」

リクオはつららに言われながらもリボンを外し中身をみる

「きーほるだー?」

「そうです!ほら!」

つららは嬉しそうに自分の携帯を見せる。
携帯についていたキーホルダーとリクオが貰ったキーホルダーはペアストラップになっていた。

リクオは昨日の事を思い出す。


“明日さ、キーホルダー買いに行かない?”


自分が言った発言が脳裏に蘇る。

つららはリクオが呆然としてることに

「リクオ様、もしかして忘れてたんですか!?」

「ぃ、いやそういうことじゃなくて」

「なら、いいですが・・・」


「つらら、ありがとうな。キーホルダー」

つららはその言葉で蔓延の笑顔になった。

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