短編


□最期の想い ・序・
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リクオ様・・・・・

リクオ様はいつも他の子をみる

私を見てくれない

どうして・・・?そんなに私が嫌いなのですか?

こんな感情を持つくらいならいっそ死んでしまったほうがましだ・・・

どうして私は側近をしているの・・・?

お母様の言うことだから?

何よ・・・・私は一かけらも望んでいやしないじゃない

私はこのままでいいのかしら・・・?

もっと自由に生きたい

だけど、それは叶わぬ欲望だって分かってるわ

だけどリクオ様。私は貴方を好きになってしまったんです

昼も夜も。どちらのリクオ様だって好き・・・・なのに

リクオ様は、私を見てくれない



何?これは・・・?

ああ、涙なのね・・・・

悲しい・・・?うん悲しい

でもこれは傍から見ればただの欲張りかもしれない

だけどっ!

だけど、それだけ貴方を好きになってしまったんです


リクオ様っ!


貴方はいつも私の弁当をおいしく食べてるけど

本音で“おいしい”って言ってるんですか?

私は毎回リクオ様が食べるたびに不安になるんです

だから、これからは正直に言ってください


私がいらなかったら、側近失格と――

そして破門されてもかまいません

いつも貴方とすれ違うと心が痛むのです

それならいっそ、故郷で暮らしたほうが気が晴らせます


貴方の笑顔は、仮面を被っているようで怖いのです

そして、差し伸べしてくれる貴方の手

それも私には、恐怖にしか見えない

私の心は彷徨っているのです

貴方を好きになってしまったことに違いはない

だけど、貴方はどうでしょう?

私の存在は一番でも2番3番でもなかったはず

いいえ、もしかしたら最後なのかもしれない

私から見れば貴方の存在は一番でした

そして、貴方が好きでした。リクオ様

でもその想いも、もう叶わぬ話


なので私は故郷に帰ります

この想いをなくすために


私という存在がいたら邪魔なだけだから


さようなら。リクオ様


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