短編
□命令には・・・
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学校も終わり、リクオとつららは清十字怪奇探偵団の部室へと向かっていた。
「つらら、今日の夕御飯何?」
「あぁ、それはですねグラタンですよ♪」
「楽しみだな、それは。」
という会話をしながらも皆のいるところに向かっていた。
ガラッ――――
「おぉう!奴良君達遅かったな!!」
「いろいろとあったからね」
清継は、「そうか、そうか。」といいながら流していった。
そして、リクオは幼馴染のカナがいないことに気がつく。
「あれ?カナちゃんは?」
「あぁ。それさぁさっき他の女子に連れられて屋上に行ってたよ。」
「まじでー!?カナ可愛いいもんねー。」
という巻と鳥居の会話にリクオは「ふーん。」だけで終わらせた。
つららは半目でリクオを見ていた
(リクオ様、家長のことが気になっているでしょうか。)
と想いを寄せながらもリクオの側近としていた。
*
一方その頃屋上では・・・・
「ねー、家長さんってリクオ君のこと好きなんでしょ!?」
唐突な質問にカナは顔が赤くなる
「えぇ!!そんなことないよ!!ただの幼馴染だよ!!」
と抵抗する。すると女子たちは
「ならさ、家長さんって及川さんのこと好き?嫌い?」
「!!急にどうしたの!?こんなこと聞くなんて・・・」
「うぅん!何にもないけど、私たちリクオ君のことがね好きなの。だからね――」
カナは聞かずとも先を読めた
及川氷麗をリクオ君の隣から引きずり出そう
そう、女子たちは及川氷麗が憎かったのだ。いつもリクオの隣にいられる彼女が・・・
「だからね?いい?」
「う・・・うん・・・・・」
カナは女子たちのいいなりになってしまった。
*
「でね!でね!!――」
ガラッ――――
「あ!カナ!遅かったね!!」
「よーし!!これで全員――」
清継が始めようとしたがカナが口を挟み
「ねぇ!及川さん!ちょっと来てもらってもいい?」
つららだけじゃなくそこにいた皆が驚いた。
「ぇ、えぇ・・・いいですけど?何か??」
「ホント!?ならちょっと借りるね!リクオ君!」
「ぁ、あぁ・・・いいよ。」
と言い残して、つららとカナは部室を後にした。
「どうしたんだろ?」
「意外だよねー」
「ねー。ま、いっか!うちらには関係ないっ!」
と言っている巻と鳥居だった。しかしリクオは隣で胸騒ぎがし、だんだんと心配になっていた。
(つらら、大丈夫かな・・・)
*
つららがカナに連れてこられた場所は、そう女子たちがいる屋上だった・・・
「みんなでどうしたんですか?」
と平気な顔で言うつららに対し、女子たちは
「ん〜とね・・・それは・・・」
一人の女子がつららに向かって歩いていく。
「こういうことよっ!!」
ガンッ!!
つららは、フェンスにぶつけられた。
「ぅぐっ・・・」
「二度とこんなことされたくなければ、リクオ君から離れなさい!!」
「それは・・・・できません・・・」
「はぁ?何で?理由を言ってみなさいよ!!理由!!」
「リクオとは、未来永劫お守りすると誓ったお方ですから!!!」
ガンッ!!
女子はつららの胸元を掴みもう一回フェンスにぶつけた
「うぐっ!」
「いい加減その様&tけやめない?同級生で様付けとか何の真似よっ!!」
その後景をみていたカナは、自分を責め始めた・・・
(及川さんにあんなことをするために私を利用したなんて・・・私ってなんて馬鹿なんだろう)
と思う。しかし女子を止めようとはしなかった。それは、
カナもつららのことが憎かったからだ―――
*
一方その頃部室では・・・
「及川さん達遅いっスねー」
「んー、そうだな・・・」
「なら僕見に行ってくるよ!」
「え」
「ぇ」
みんなの意見も聞かずリクオは屋上へと向かった。