長編


□小事は大事に?
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今日も奴良組の朝は早い
つららが一番に台所に着く。そして後からきた小妖怪たちと一緒に朝ごはんの準備をする
その小妖怪たちにも

「つらら姐さん、昨日は楽しかったんですか?」

とか

「気持ちよかったんですか!?」

とか、つららにとっては意味がわからなかった。

つららがキョトンと困った顔をしていると小妖怪たちはつららは“首筋のキスマーク”に気づいてないことを悟った

「ねぇ、今さっきの質問どういうことなの?」

つららがものすごく知りたそうにして小妖怪たちに話しかける

「ぃ、いぇなんでもございませんっ!」

「そ、そうなんですっ!つぃ、独り言が大きく出てしまいまして・・・」

小妖怪たちは焦る。どうにかして誤魔化さなければ と思い。

「ね――」

「ささ、早く朝ごはん作りましょう!!」

「まずは水洗いっと・・・」

つららは、言いかけたが小妖怪たちは朝ごはんに話をそらし作業を進めていった。

(何があったのかしら?)

つららはずっとそう思いながら作業を進めていった。


それから5分したところに、若菜と毛倡妓がやっと台所に来た

「おはよう!みんな」

「「「「「おはようございます!!」」」」」

「おはようございます、若菜様」

「あら、つららちゃん今日も早いわねー。感心だわ」

「いえいえ、当たり前ですから!」

「そうね、私も早く起きなきゃ―――」

(ん?つららちゃんの首筋に・・・・これってリクオの仕業かしら?)

「若菜様・・・?どうなされました?」

「ぁ、ごめんなさい!それじゃあ朝ごはんさっさと作っちゃいましょ!」

「はい!」

そして、朝ごはんがもうすぐ出来上がると、

「ねぇ、つららちゃん」

「何でしょうか?若菜様」

「昨日、何かうれしいことあった?」

「う、嬉しい事ですか・・・んーリクオ様と一緒にいれたことですね!」

つららは最高の笑顔で答える

「フフッ、つららちゃんはリクオのことが好きなのね」

つららの顔が一瞬で赤くなる

「す、好きっっていうのか、一緒にいれたらな・・・みたいな!」

「それ好きってことよ」

毛倡妓が入ってくる

「そうよ、その気持ちは“好き”っていう好意よ?」

「でも・・・・」

「「でも?」」

若菜と毛倡妓が声をそろえて言う

「私、リクオ様の側近だし・・・側近は、一生側近だし・・・奥方にはなれないって・・・」

「でも、“一生側近”なんでしょ?」

「そうよ、側近っていつもそばにいるってことでしょ?奥方とは別の問題よ」

若菜に続き毛倡妓が言う

「でもさ、つらら。リクオ様の命令ではどうよ?」

毛倡妓の提案に若菜がのる。

「そうよ!リクオの命令だったら側近でも奥方になれるわよ?」

「そ、そうですが・・・リクオ様が私に好意がなければなれません!」

「そこをどうにかするのよ」

「へ?」

若菜から言われた言葉につららはキョトンとした

「だから、自分から積極的に行けばいいってことよ」

毛倡妓が略す

「でも、今のつららにはできないかもね。」

「どうして?」

「だって、つららのアピールは自然体じゃないもの」

「自然・・・たい?」

「そうよ。普通自然にアピールするんだけど、つららちゃんって何事にも頑張ってやるから、気合いが入りすぎなのよ」

「だから、今回積極的に行っても自然体じゃないからリクオ様にはバレバレってことよ」

毛倡妓の言葉につららは少しへこむ

「でも、リクオはきっとつららちゃんのこと好きだと思うけどなぁ?そう思わない?毛倡妓?」

「わかります。きっと両想いなんですよ。さっさと祝言挙げちゃえばいいのに」

「私もつららちゃんの花嫁姿見たいわ。なにより孫の顔が一番だけどv」

「わ、若菜様まで!!ちょっと毛倡妓変なこと言わないでよ!」

「はいはい。ぁ、つららは学校行く支度しないでいいの?」

「こっちは、もういいから支度してきなさい」

「はっ!そうだった!ありがとうございます!支度してきます!」

時はもう7時前になっていた。

どんだけおしゃべりが長かったことか・・・


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