チェスゲーム

□学校
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廊下は授業が始まったからか、誰も居ない。
しばらく歩くと、マリアさんが止まった。その前には、壁しかない。
私が頭に?マークを浮かべていると、マリアさんは杖を出し、
「フルーツバスケット」
っといった。まったく訳がわからない。
すると目の前の壁が開き、階段が現れた。

「なるほどな…。」

私が驚いている隣で、ラグナさんが呟いた。何がわかったのだろう?
そんな事を思っていると、マリアさんがまた歩き始めた。私も急いでついて行く。
階段を一番上まで上がると、扉があった。扉には【校長室】というプレートがあった。
マリアさんがノックをすると、扉の向こうから男性の声が聞こえた。
扉を開け中に入ると、白髭の優しそうなおじいさんが居た。
マリアさんが事の次第を話すと、校長先生は私たちに微笑み、マリアさんに戻るように伝えた。

「さて、もう君は気づいているようじゃな。ここが何の学校か…違うかね?」

校長先生は、ラグナの方を見てそう言った。ラグナはニヤッと笑い、答えた。

「あぁ、ここは魔法学校だろ?」
「!?魔法学校って魔女とか魔法使いが通う?そんな学校あるんだ」
「ああ、俺の故郷にもあったからな。ま、特に俺が使えるもんなんて大した事なかったけどな」
「ラグナ魔法使えるの?」
「やはりそうじゃったか。一目見たときからわかっとった」

まさかの告白…って言うか、話についていけない。

「君は…おお、君も魔力がありそうじゃの」

次に校長先生は、私に向かってそういった。

「え!?わたしですか?そんな、魔法なんて使ったことはおろか、見たことすらないです」
「なに言ってやがる。お前の呪いも、元はと言えば魔法だ。
 そうだ、おい、じいさん…」
「ラグナさん!校長先生に向かってそんな口の利き方…」

ラグナさんの発言に私が注意すると、校長先生は優しく微笑み言った。

「まぁ、よいよい。ラグナとやら、続けなさい」
「おぉ。で、俺らにかかっている魔法は解くことができるのか?」
「そのことなんじゃが、残念ながらワシにも解く事はできん。
 下級魔法なら簡単に解けるのじゃが、この魔法は上級。上級魔法は、かけた本人しか解く事はできん。
 ま、例外はあるんじゃが、この魔法は、その例外に当てはまる物ではない。」

校長先生の話に落ち込んでいると、校長先生がある提案をした。

「そうじゃ、2人は魔法を使いたくはないかの?もしよければ、授業を生徒と一緒に受けるがいい。」
「え、でも…皆の前でもし消えることになったら…」

私が驚いていると、ラグナが言った。

「今までの感じからして、消える前には時間がある。
それに俺も、魔法をもう少し身につけときたいしな。これから役に立つかもな」
「心配せんでも、二人のレベルに合ったクラスに入ってもらう。
担当の先生方にも事情は話しておくから、安心して学んでもらえるはずじゃ」
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