版権小説

□ソウルイーターカルタ合戦?
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ねぇソウル、とマカは自宅のテーブルにカルタを並べながら相方に問いかける

隣でめんどくさそうにカルタをぱらぱらめくっていたソウルは、何だよと声だけで返した

「カルタって綺麗だね。ママが旅先で送ってくれる絵葉書が小さくなったみたい」

「そうだな」

どうでもよさそうに返してくる言葉に、マカはムッとする

カルタに描かれた絵を見ていると楽しい気持ちにはなるが、何枚も並べていると退屈になってくる

ちょっとくらい相手にしてくれてもいいのに、なんて思ってしまう

いつもは、さりげなく気遣ってくれるのに、変なところで無神経なんだから……

「マカ〜チョ〜ップ」

「いって!!何すんだマカ」

ソウルは頭にくらった衝撃に、手持ちのカルタをぱらぱら落として抗議してくるが、マカは涼しい顔でつんとすましてみる

「何となくよ。さ〜、気分も晴れた事だし、皆が来る前にカルタを並べるか〜」

軽く背伸びをして、気分を入れ換える

「何だそれ。わけわかんねぇし。一人で納得すんな」

不機嫌そうにしながらも、仕方がないと諦めた様子でソウルはカルタを並べ始める

口では悪態をつきながらも、ソウルはマカには甘い

女に目くじらを立てるのは、クールじゃない

自分のポリシーを頑なに守り続けているところが、ソウルらしくてマカはつい笑ってしまう

そもそも、何でカルタをしようとしているかというと、クロナに何とか自分以外の人にも心を開いて欲しいと思い、皆に相談したからだ

「悪いな。クロナが馴染めないのは、俺がビッグすぎるからだ。なーははははははははは」

なんてバカ笑いしてたブラックスターは放っておくとして

「駄目だ…帰らせてくれ。スリッパをきっちり揃えたかが気になるんだ…」

とか帰ろうとするキッドを、リズが止めようとし

パティが笑いながら、またキッド君の病気だ〜と大はしゃぎしている

あいつら何がしたいんだ、と途方にくれるソウル

まあ、この三人も放っておくとして

きちんと話し合いができたのは、ブラックスターの事をあやまってはいたものの、椿ちゃんとソウルだけだった

「カルタ…はどうですか?」

「カルタ?えっと、あの東方で伝統的な札遊びのこと?」

「ええ。これならクロナさんも楽しめると思うんです」

ソウルと顔を見合わせる

これは案外いけるかもしれない

何しろ冷静な椿ちゃんが言う事だ

それなるにカルタを推す根拠があるはずだ

ソウルもいいんじゃないのか、と軽く頷いてくる

「どうやって遊ぶんだ、そのカルタってやつ。トランプみたいなもんなのか?」

「ソウル君が思ってるようなものじゃないけれど、カルタは一人の人が札に書かれた文章を読んで、文章の内容にあった絵が描かれた札を早いもの勝ちで取っていって、最後にたくさん札を持っていた人が勝つゲームです。ルールも分かりやすくて、いいかなって」

はにかむように笑ってみせる椿

「それいいかも!!さっすが椿ちゃん」

おっとりと謙遜する椿

あとは、適当に自分の事で忙しいブラックスター達に勝手に宣言して、カルタをやる事に決めた

日時は土曜日のお昼から

カルタは椿ちゃんが持っていたものを借りてある

昨日の夜にしっかりとルールブックを熟読したマカは、ソウルを伴ってこうしてカルタの絵札を並べているのだ

「よし、終わった〜」

「お疲れ、ソウル。あとは皆を待つだけだね」

少し沈黙がおちる

気取らない心地よい沈黙だ

「うまくいくといいな」

ぼそっと言われた、さりげないソウルの言葉が嬉しい

「うん」

マカは膝をかかえて、嬉しそうに笑った
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