童話

□貧乏な娘の悩み
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新緑があふれ、赤や黄の花が咲きだす、温かな日差しが心地よい季節

町の大通りは今日もにぎやかだった

茶色のレンガが敷き詰められた歩道には、ハムや服などを売る店が軒をつらね、売り子が客の呼び込みをしている

買い出しに来た主婦が、店の前で足を止める中、金色の髪と緑の瞳が綺麗な娘、リアは大事なパンを抱え足早に通り過ぎる

「買えない物を見るのは目の毒だわ」

リアの家は貧乏で、母を病気で亡くし、父と二人ですきま風の吹くボロの小さな家で暮らしていた

父と二人で働いても、生活に必要な物を買うのが精一杯で、娘らしくリボンを買う余裕もない

同じ年頃の娘が、髪に鮮やかな色のリボンを結んでいるのを見ると、うらやましくてしかたがなかった
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