チェスゲーム

□学校
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私たちは玄関ホールに居た。どこかの家の玄関ホールにしては、広すぎる。
辺りを見回していると、ベルの音が聞こえた。そのベルと同時に部屋から、15〜6歳の同じような服を着た少年少女が出てきた。
どうやらここは、学校らしい。どの子も教科書を手に持ち、楽しそうに話している。
その中の1人の少女が私達に話しかけてきた。

「ねぇ、貴方達見ない顔ね。見学者の方かしら?」

リデルが困ったように答えた。

「いえ、えっと…どう言ったらいいのかしら?」
「とりあえず、ここどこだ?」

ラグナの質問にその少女は不思議な顔をした。

「とりあえず、先生にご報告しないといけないわ。ついてきてくれるわよね?」

少女は2人にそう告げると職員室に案内し、1人の女性に話しかけた。

「マリア先生。不思議な2人が居ましたので、連れて参りました。」
「え!不思議な2人?リンさん、どういうこと?」

私の前に居る女性がマリア先生、私たちをここに案内してくれた少女はリンという名前らしいの。
リンちゃんは、私たちと会った時の事をマリアさんに話しているが、うまく伝わっていないみたい。
私が話した方がいいかしら?と疑問に思ってラグナさんの方を見ると、ラグナさんも私を見ていた。
あ〜、そうよね。ラグナさんって面倒なこと嫌いだものね。
私は困っているリンちゃんに代わってもらって、今までのことを話した。
マリアさんは驚いていたし、リンちゃんは
「信じられない」と何度も口にしていた。
ラグナさんは、近くの窓から外を見ている。

「兎に角、私には判断ができません。お二人はついて来て下さい。
 リンさんは、次の授業もあるでしょ。授業に出てきなさい。」

リンちゃんは、返事をして私たちに一礼すると出て行った。
「さ、お二方。行きますよ。」
「あ!はい。ラグナさん、行きますよ」

私たちは、マリアさんについて歩いた。
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