Novel1
□Increase for April Fool
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「あれ……そういえば博士は?」
コウタがキョロキョロと見回すが、博士の姿は見当たらなかった。
「あぁ、シオの部屋にいるよ。コナタ連れてきたときは大興奮だったから……また俺ら共犯者かなんかになるとは思うけど」
あはは、と苦笑する。そうしていると、コナタがレンに近付いてきた。
「なまー?」
レンの顔を指差して首を傾げる。レンも言われた言葉の意味がわからず首を傾げた。
「名前?」
うーん……と考え込むレン。
「なまー。うー……と! なまーなーに!」
コナタがレンの腰に抱き付く。兎烙とコナタに抱き付かれ、レンが少し動きづらそうだった。
「俺の名前?」
レンが訊ねると、コナタは大きく頷いた。
「レンだよ」
レンが名乗ると、コナタが「おぉ!」と目を輝かせた。
「ボクは兎烙だよー」
笑顔で兎烙も名乗るとコナタが「とーや!」と叫びながら、今度は兎烙に抱き付いた。突然の事に兎烙が驚いている。
「とーやギュー!」
コナタが満面の笑みを見せる。つられて兎烙も笑みを浮かべた。
「ちょ……お前らちょっと離れろ……動けない……」
二人分の力を受けているレンがそう言うが、二人は全く動かない。
「いやだ」
「やーだっ!」
拒絶の言葉を口にした二人にレンが絶句した。