Novel1

□Increase for April Fool
7ページ/16ページ

「あれ……そういえば博士は?」

 コウタがキョロキョロと見回すが、博士の姿は見当たらなかった。

「あぁ、シオの部屋にいるよ。コナタ連れてきたときは大興奮だったから……また俺ら共犯者かなんかになるとは思うけど」

 あはは、と苦笑する。そうしていると、コナタがレンに近付いてきた。

「なまー?」

 レンの顔を指差して首を傾げる。レンも言われた言葉の意味がわからず首を傾げた。

「名前?」

 うーん……と考え込むレン。

「なまー。うー……と! なまーなーに!」

 コナタがレンの腰に抱き付く。兎烙とコナタに抱き付かれ、レンが少し動きづらそうだった。

「俺の名前?」

 レンが訊ねると、コナタは大きく頷いた。

「レンだよ」

 レンが名乗ると、コナタが「おぉ!」と目を輝かせた。

「ボクは兎烙だよー」

 笑顔で兎烙も名乗るとコナタが「とーや!」と叫びながら、今度は兎烙に抱き付いた。突然の事に兎烙が驚いている。

「とーやギュー!」

 コナタが満面の笑みを見せる。つられて兎烙も笑みを浮かべた。

「ちょ……お前らちょっと離れろ……動けない……」

 二人分の力を受けているレンがそう言うが、二人は全く動かない。

「いやだ」
「やーだっ!」

 拒絶の言葉を口にした二人にレンが絶句した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ