Novel1
□Increase for April Fool
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「……ノラミで」
考えはしたが思い浮かばなかったらしいレンが、コウタの案を採用しようとした。
「やーだー!」
だが少女が首を左右にブンブン振って激しく拒絶したため――コウタが落ち込んだ。
「……とーや……なんかないか?」
案を一蹴されたレンが困ったときの神頼みならぬ兎烙頼みで抱き付く兎烙に訊ねた。
「レンが頼まれてるんだからレンが付けなきゃ」
苦笑しながらそう言う兎烙に、レンはまた頭を抱えた。
「……! コナタ!」
いきなりレンが大声で叫んだ。
「コナタ……?」
皆がきょとんとする。
「コナタってのはどうだ?」
少女に訊ねると、彼女は目をキラキラと輝かせた。
「コナタ! かわい!」
どうやら気に入ったらしく、「コナタ! コナタ!」と連呼していた。
「いい名前ですね」
アリサが微笑むと、レンが「だろ?」と笑みを見せた。
「珍しい……レンがちゃんとした名前付けた……」
レインがコナタの頭を撫でながら感嘆の声を上げる。
「ヒナタとコナツとどっちがいいかなー……ってふと思ってさ。混合させたらコナタになった」
立ち上がってふぅと息をつく。
「まあ結果的ちゃんとした名前になったんだから万事オーケーだろ」
リンドウが笑いながらレンの肩をポンと叩いた。