Novel1
□Increase for April Fool
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「ソーマ!」
レンが焦ったように後を追おうとするが、リンドウが止めた。
「保護者が子供から離れちゃいけねーぞレン」
悪戯っぽい笑みを浮かべながらそう言われ、レンは突っ込むわけでもなく「はい……」と頷いて諦めた。その瞬間、抱き付く相手のいなくなった兎烙がレンに抱き付いた。レンは兎烙の頭をよしよしと撫でながら再び考え込む。
「……ソーマが無理……じゃあリンドウさ「悪いな、俺には無理だ」
ははは、と爽やかに笑いながらリンドウが拒否した。
「うー……じゃあ……」
誰に名付けを頼もうかと周りを見渡したレンに、レインが口を出した。
「お前がつければいいじゃん。それがいいと思うよ。ね、サクヤさん」
リンドウから離れて少女に近づき、サクヤの方を見る。
「そうね……貴方が見つけたんだし……せっかくだからそのまま名付け親になったらいいと思うわ」
サクヤも頷く。レンがげっ、という顔をする。
「私もそれ同感です」
アリサもサクヤに同意する。レンがさらに顔を顰めた。
「つーわけだ。頼んだぜ、レン」
リンドウがそう締めくくるとレンはとうとう頭を抱えて座り込んだ。兎烙が抱き付きづらそうにしているがレンは気付いていない。