Novel1
□Increase for April Fool
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「というわけ」
いきさつを話し終えたレン。
「で、名前は?」
コウタが少女に訊ねる。
「なーい!」
元気よく答えた彼女に、皆がシンとした。
「無い……って」
「なまー。ほしー?」
うーん? と首を傾げながら皆を見る。そこでコウタがポンッと手を叩いた。
「名前がないんだったらつけよーぜ!」
コウタの提案に皆が頷いた。
「名前……か」
レンが考え込む。そんなとき、コウタがニヒヒと笑った。
「俺考えたぜ?」
「どんびきです」
間髪入れずにアリサがコウタに呆れた視線を送る。
「まだ言ってねーじゃん!」
コウタが喚く。
「どうせまたノラミなんでしょー?」
兎烙が笑ってそう訊ねると、コウタがなぜ分かった、という顔をした。
「誰でもわかるよ。前回もそうだったし。わざわざメール送ってきてまでノラミノラミ騒いでたし」
あはは、とレインも笑う。
「じゃあシオの時と同じように……「断る」
ソーマに名付けを頼もうとしたレンだったが、ソーマにばっさりと断られた。そしてソーマは兎烙を離して研究室を出ていった。