Novel1

□Increase for April Fool
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 俺さ、最近鉄塔の森行く度に妙な気配を感じてたんだ。だから一人でミッションに行って来た。まあ俺は弱いから簡単なヤツしか出来ないけど。とりあえずグボロ・グボロの討伐に行ったんだ。
 まあ滞りなく終わったよ。んで、帰投準備している時にこの子を見つけたんだ。アラガミにしか通れない台みたいな物があるじゃん? あの中央のエリアに行けるらしいところ。あそこからこの子飛び降りてきてさ……

「おぉ! グボロごはんだ!」

 びっくりしたよ。見た目は普通の女の子なのに平気でグボロ・グボロを喰い始めたから。思わず俺は声を掛けた。

「アラガミ喰って腹壊したりしないのか?」

 アラガミが人間を喰うのは見ることはあるけれど、人間がアラガミを喰うのは全く見たことがない。――もっとも、人間に似たアラガミがアラガミを喰うのは度々見てたけど。

「んー? うまーよ? く?」

 “く?”ってなんだ? しばらく考えたてら、“喰う?”って意味だということに気が付いた。

「いや、俺はいいよ。それよりさ、こんなトコにいたら危ないよ。一緒にアナグラ行こうか」

 アラガミが頻繁に出現するこんな所で一般人を一人で置き去りにするわけにはいかない。だから俺はそう言ったんだけど……

「あなぐら……うまそーな! いく!」

 ……なんか違う気がするけど……うん。

「じゃあ行こうか」

 まあそんなこんなで俺はこの子を連れ帰ってきたのだった。
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