Novel1

□Increase for April Fool
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「あ、リンドウさん!」

 レインと兎烙がサカキ博士の研究室に入ると、第一部隊の隊員はもちろん、リンドウまでもが研究室にいた。レインは迷うことなくリンドウに抱き付いた。

「……レンは?」

 兎烙が一番入り口に近い場所にいたソーマの背中に張り付きながらそう問い掛ける。

「俺に訊くな。今来たばかりだ」

 そうぶっきらぼうにソーマが言ったのと同時に、元はシオの部屋であった扉が開いた。

「全員いるな?」

 レンが人員を確認してから「よしっ」と言った。

「全員集合って何? なんかやらかしたの?」

 リンドウに抱き付いたままのレインがレンにそう訊ねると、レンは頬をポリポリと掻いた。

「まあ……合ってるっちゃ合ってるかな……とりあえず驚かないで聞いてくれるか?」

 ゴホンとわざとらしく咳払いをしてから、レンはシオの部屋の中に向かって手招きした。

「あれ……?」

 コウタが部屋から出てきた人を見て声を上げた。出てきたのは赤い髪で金色の目をした少女だった。

「誰だそいつは」

 兎烙が張りついたままのソーマがレンに訊ねる。

「拾った」

 一言それだけ言うとレンが少女を研究室の中央に立たせた。

「拾ったって……またその辺の子と自主規制なことやらかしたんじゃなくて?」

 レインが疑いの目でレンを睨む。

「もうやってねーよ、んなことは」

 頭を掻いてハァと溜息を吐く。

「“また”とか“もう”とかってお前らまだ若いだろ……」

 レンとレインの会話にリンドウが呆れている。

「で、この子は何処にいたの?」

 サクヤがレンに微笑みながら訊ねる。

「えっとだな……」

 近くのソファに座って、レンは語り始めた。
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