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□全ては貴女のために…
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「…またですか…」

『えぇ?いけない?』

「…いえ」

お嬢様…あまりおいたがすぎると…

『…だって…目障りなんだもの…』

私の心を見透かしたようにお嬢様は呟く

「えぇ…わかっていますよ…」

彼女の命令は…

『早くアイツを消して…』

ある女を消すこと…

「……しかし…何故…?何故そこまで…?」


『…そんなの…知ってるくせに…』

えぇ…そんな事はわかっています…
ですが…違うと…
別の理由を言ってほしかった…

「教えていただけませんか…?」

『…だって…あの人はアイツしか見てないんだもの…アイツがいなければ…今度こそ私が…』

鳴呼…やはり…

「…お嬢…」

…でも…貴女も…同じなのですよ…?
貴女もあの方しか見ていない…
私がこんなに貴女の事を思っているというのに…
…でも…言うことはできない…

そして今日も…

『…消して…』

嗚呼…これで何人目だろうか…

…愚かな女(ヒト)だ…

いくら消しても…
あの方が貴女を見ることはないだろうに…

そして私はまた女を狩る…

…いつか…いつかお嬢様のこの罪が裁かれる日が来るだろう…

…その時…私は…?

『…セバスチャン…?どうしたの…?』

鳴呼…やはり…

その時が来ても私は最後まで貴女の見方でいましょう…
私だけは…永遠に貴女見方です…


…全ては…愛し方を知らない貴女の為に…

…End…

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