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□tea time
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…コンコン…

いつも通りの時間に
いつも通りの言葉

「お嬢様…アフタヌーンティーをお持ちしました…」

しかし…
お嬢様のいつもの返答はない…

「…入りますよ?」

『…すー…』

「…お嬢様…?寝て…ますね…」

―…鳴呼…なんと可愛らしい…―

「…お嬢様…愛しています…」

『…え…?』

「起こしてしまいましたか…申し訳ありません…」

動揺を隠すために吐く謝罪の言葉…
ですが…貴女への愛に偽りはありません…

『セバスチャン、今なんて言ったの?』

「いいえ…なんでもございません。」

精一杯冷静に対応する…悪魔の私をここまで動揺させるとは…

『お願い…セバスチャン!言って!』

「…言えません…私は悪魔で貴女の執事…」

今貴女に
伝えてしまえば…
私はもう貴女の執事ではなくなってしまう…
そうなればもう貴女の傍に居ることはできない…

「執事である限り…貴女は私の主人…執事が主人に手を出すなど…あってはならないこと…」


『…わかってる…!だけど私、セバスチャンが好き…これからも傍にいて…私の一番傍に…』

今にも泣き出しそうな顔で私にそう訴えるお嬢様…

…鳴呼…もう…我慢できません…

「…後悔…しませんか…?私は貴女を離す事はできませんよ?一生傍にいて、愛し続けます。」

―こんな狂った愛…
貴女は受け止められますか?―

『…うん…一生……覚悟はできてます…』


…やっと…やっと手に入れました…一番欲しかったモノ…
私のお嬢様…



…End…

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