まさかの

□第1章
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俺の名前は清水 和久(しみず かずひさ)

外見は黒髪で黒縁の眼鏡をかけている至って普通の男子高生だ。
たまに上の下の下と言われるが中途半端で良いのかよく分からない。
簡単に言えばまぁまぁといった容姿なんだろうな。

そして高1から白桜学園(はくおうがくえん)という学園で寮生活をしている。

少しみんなと違うのは俺が根っからの腐男子ということ。

俺が物心ついた時から、俺の家には母親のBL本が散乱していて、無垢な俺はそれをBL本と知らず、当然のように読んでいた。

最初はなんだこれと思いつつ読んでいたが、何なのか知り、面白いと思い、俺はいつの間にか腐男子と呼ばれる人種になっていた。

今考えるとなぜそれを母親は散乱させておいたのかと思うが、面白いと思う時点で俺は生まれた当初から腐男子の素質があったのだろう。

これは母親の血が流れている証拠だ。
不本意だが……

俺の可愛い妹が今俺のそれと同じ状況にあり、腐女子となりそうである。

同じ話題を話せるようになるのは嬉しい事だが、兄としては無垢の可愛い妹がそうなるのは少々複雑な気分だ。


そんな俺の前に現れたのが、



「俺の名前は八代 有貴(やしろ ゆうき)!!よろしくな!!」


叫ぶに近い声でそう言い放つ、黒髪のもじゃ頭で瓶底のような眼鏡をはめた男だった。



………。



……ん?なにこれ?…えっ??マジでなにこれ??


………冗談きついですけどぉぉぉ!!
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